フランスでは「礼儀正しさ」が文化の重要な部分を占めており、お礼の表現に習熟することが重要です。 フランス語の基本的な「ありがとう」、merci（メルスィー）はご存知でしょう。しかしネイティブスピーカーに一目置かれるには、より幅広い感謝の表現を身につけたいものです。

ドアを開けてもらったり、プレゼントを受け取ったりする時に伝える、ぴったりなお礼のフレーズを知っていると素敵です。 母国語を介さないロゼッタストーンでは、まるでフランスに留学したように単語から会話まで自然に習得できます。この学習法によって、次にタクシーから降りる際も、フランス人の自宅に招待された時も、自信を持って適切なお礼を伝えられます。

ここでは、フランス語で「ありがとう」と伝える8つの表現と、それらをうまく使い分けるためのヒントを紹介します。

Merciは一般的だが、十分でないことも

空港からホテルまで、至る所でmerci が耳に入ります。この言葉はどのような相手にも使える一般的な「ありがとう」ですが、形式的で冷たく聞こえてしまう場合もあります。深い感謝の気持ちを表わそうとしている場合は、ほかの表現を選ぶ必要があります。

Merci beaucoup で心を込めて

Merci beaucoup （メルスィー・ボクゥ）は用途が広く、ほとんど全ての文脈で使えます。また、短縮版よりもちょっとだけ多く感謝と思いやりを伝えることができます。Beaucoup (ボクゥ)は「たくさん」を意味しますので、日本語では「どうもありがとう」に相当する表現です。

Merci bien を使うときは要注意

Merci bien（メルスィー・ビヤン）は直訳すると、「良い」または「良好」であり、前向きな印象を連想しがちですが、英語のthanks a lot!（そりゃ、どうも！）のように、皮肉な意味で嫌みとして使われることもある表現なので、要注意です。

Merci mille fois は熱意のこもったお礼

より熱意を込めて感謝を伝える時にフランス語では、merci mille fois（メルスィー・ミル・フォア）と言います。英語で言うthanks a million（「百万回分の感謝」）のように、フランス語では「千」を意味する mille でありがたさを表現します。使い分け方としては、コーヒーを作ってくれたバリスタには merci、シフトを代わってくれた同僚には merci mille fois となります

丁寧に伝えるには Je vous remercie

フォーマルに感謝を表すには動詞の remercier（ルメルスィエ）を使います。Je vous remercie（ジュ・ヴゥ・ルメルスィー)の後にpour〜（プール）を付け足して感謝の対象を述べると、より高度な表現になります。Je vous remercie pour votre cadeau「プレゼントをどうもありがとう」と言えるとネイティブの方は感動するでしょう。

形式的なお礼には avec tous mes remerciements

フランス語の手紙などの締めくくりには、avec tous mes remerciements (アヴェック・トゥ・メ・ルメルスィマン)「多くの感謝を込めて」が多く使われます。このフレーズは、フォーマルな場面やビジネスメール、手紙など、正式なやり取りに適した丁寧さを表わせます。

C’est vraiment gentil de votre part を覚えておけば得をする

感謝のフレーズc’est vraiment gentil de votre part （セ・ヴレマン・ジャンティル・ドゥ・ヴォートル・パール）を覚えて印象づけましょう。「ご親切にありがとうございます」に相当しますが、単語ごとに直訳すると「これはあなたの側の親切です」となります。相手に何かを手伝ってもらった場合に丁寧に言いたいときに使う言葉です。

Merci, monsieur / madame で礼儀正しく

「誠実すぎる」というのはないので、merci や je vous remercie は積極的に使いましょう。そうすることで、フランス文化における礼儀の重要性を理解していることを示すことができます。
また、相手から反応がなくても慌てないでください。ここで紹介したフレーズを通りすがりの外国人が使った場合、フランス人はうなずくことさえしてくれないかもしれません。よい印象を与えたい時には、monsieur や madame を付け加えます。これで、フランス文化にふさわしい敬意を払おうとしていることが伝わるでしょう。

誰でも感謝の気持ちを母語で表現されたら嬉しいものです。フランス語の細かなニュアンスをロゼッタストーンで掴みましょう。